人工授精や体外受精を実施していくにあたり
なくてはならないのは夫の精子提供です。
コンドームは避妊具のため
もともと精子を死滅させる液が入っているそうで
不妊治療に使用する精子は
コンドームへ射精したものは使用できず
何とかして夫に頑張ってもらって
提供してもらう(容器にいれてもらう)しか
方法はありません。
治療中はどうしても妻に
多くの負担が行きがちですが
夫側にも少なからず影響が出てきます。
今回は夫の話を通して
夫なりの不妊治療への向き合い方や
”夫婦で頑張る”意識を持つことの大切さ
を書いてみようと思います。
夫に課せられたミッション
精子を提供してもらうにあたり、夫側にも
準備や心構えをしてもらう必要があります。
まずは準備段階として、
提出日がある程度予測できるため
万全の精子が提供できるように
当日から逆算して
夫の方で調整してもらいます。
(精子の質を考えて3~5日前に
一度すっきりしてもらいます。)
人工授精や体外受精の日にちは
排卵日(卵胞の状態)に合わせていて
カレンダーの休日に合わせることは
難しいため、少し心苦しかったのは
朝仕事に行く前に
頑張ってもらう必要があったことです。
私の場合、人工授精において
夫に8回の精子提供をお願いしましたが
ほとんどが平日でした。
そのため、提供前日からの
夫に課せられたミッションは
- 前日はできるだけ早く寝る
- 朝は普段より30分早く起きて
仕事に行く準備をする - 集中する
- ちゃんと容器に入れる
- 頑張って仕事にいく です。
夫によると、
若い頃に比べ、当然体力も落ちており
いわゆる”賢者タイム”を満喫することなく
すぐに仕事に行くことは、
結構辛いものがあるみたいです。
プレッシャーを感じながら
2回目の提供のときに
容器が傾いていることに気が付かず
精液が半分以上こぼれてしまった
ということがありました。
容器を差し出してきたときの
夫の申し訳なさそうな顔は今でも覚えています。
精液は2ml以上あれば大丈夫だったので
幸い、中止にはなりませんでした。
そしてだんだんとコツをつかんできたのか
それ以来、容器からこぼれることはありません。
しかし、この1件があってから夫が変に
プレッシャーを感じるようになってしまいました。
- 妻が大変な思いで準備してきたことを
自分の失敗で台無しにはできない - せっかく溜めてきたのに
万が一、夢精してしまったらと不安がよぎる - プレッシャーでなかなか眠れない
- 良いものを出さなきゃという思いが
空回りしてなかなか出ない etc…
快楽による射精ではなく、使命感による射精は
夫の中でも葛藤があるようでしたが
”やらされている”のではなく
”夫婦2人で頑張る”感覚があれば
割り切ることができるとのことでした。
夫婦で乗り越えましょう
不妊治療はどうしても妻に
多くの負担がかかりがちですが
夫側においても実は
プレッシャーや負担がかかっているようです。
私たちはそれぞれ日勤の仕事ため、
日ごろから話し合う時間がある程度確保でき
お互いの心境を共有し合うことができています。
夜勤やシフト制の仕事などで
夫婦の活動時間が異なる場合、
ただでさえすれ違う時間が多くなると思います。
そういった方は
治療に対する方向性や考え方を
常日頃から意識的に話し合う習慣を作る
ことが必要で
どの夫婦も
お互いがお互いの気持ちを汲み取るために
歩み寄っていくことも必要だと思いました。
不妊治療を続けていくには
夫婦間の協力が必要不可欠です。
”どちらかだけ”が頑張るのではなく
”夫婦で頑張る”意識を常に持って
臨めると良いと思います。
※あくまで個人の見解です。
体験・経験をもとに作成しています。
※夫には、内容を掲載する許可を得ています。
コメント